JAPANES

ボブ ゲルドフ と ザ ブームタウンラッツ来日1980年春
- All Photo by Akihiro Takayama -

原稿筆 by 北澤 孝( 元フォノグラムレコード洋楽プロデューサー)
ゾンバレコードジャパン社長(2000-2003)、
2003 夏 ゾンバレコードジャパンとBMGファンハウスレコードが統合し社長職を辞任。 > 北沢孝 日本最大の音楽出版社フジパシフィック音楽出版 の社長室長。


ボブ・ゲルドフは時代に素直に向き合い、素直にロックしていた。
1980年4月あのボブ・ゲルドフ率いるブームタウン・ラッツが折からのパンク・
ムーブメントの中、初来日をはたした。
1970年後半から80年の初めにかけて,折りしも世界のロック界はパンク、
ニュー・ウェイヴのムーブメントのさなかであり、彼らもそんなグループの一つと言
われていた、いや当時のレコード会社の担当であった私が彼らを売らんかな精神でそ
のようなカテゴリーに彼らを無理やり押し込めていたのかもしれない。確かに70年
台のアメリカにおけるレイドバックと言われていた音楽に対してクラッシュやジャム
やポリス又エルビス・コステロなど明らかにレイドバックしていた音楽に対してガー
ンとこれが本物のロックだ的なメッセージを感じたのは事実だ、ただ今になって思う
と、ボブ・ゲルドフにその当時対面して感じたことは所謂ロックの魂のように言われ
る反体制思考がかれの信条では決してなく、ただひたすら現実に背をむけることなく
社会状況を直視しそこから逃げない事が彼の信条であったような気がする。
つまり時代に素直に向かい合い、逃げる事無くそれを歌にして伝え又行動し ていた
のだ。
そして、そこから I don’t like Mondays や Live Aid のアイデアが出てきたこと
は、或いは当然の結果だったのかもしれない。
そしてそれがボブ・ゲルドフのロックだったのだと思う。

北澤 孝 2001筆






1980年日本公演 ブームタウン・ラッツ ボブ・ゲルドフ 公式写真家 高山明弘


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